「聞いてもらったら、大分楽になったよ」 私はわざと明るくそう言った。 本当はまだ完全に立ち直った わけじゃないけど、これ以上 相楽に迷惑は掛けられない。 そう思ってチラリと相楽を見ると…… (…………?) 何か考え事をしているのか、 彼は気難しそうな顔をしていた。 私の声すらも、 聞こえていなかったようだ。 「相「……か」 私の呼び掛けは相楽の小さな 呟きによって遮られた。 「え、今何て――――……?」 私が聞き返すと、相楽はもう一度、 今度はさっきよりも少し 大きい声で言った。 .