「確かに月夜が起こした事件に、似てはいます。けれど模倣犯と考えた方が良いですね」

「模倣犯…。以前の月夜クンの起こした事件を真似するなんて…。月夜クンの信奉者かしら?」

希更さんの言葉に、僕の目がぴくっと動いた。

考えるよりも先に、体が反応してしまうなんて…情け無い。

「とにかく、この事件は僕達には無関係です。他を当たってください」

僕は希更さんにファイルを差し出した。

「そっそう。分かったわ」

2人は納得いってなさそうに顔を見合わせたが、立ち上がった。

「あっ、そうだ。念の為、陽日くんも気をつけて。何かあれば、連絡を」

「…分かりました」

「防犯ブザーを持ち歩いた方が良いわよ。じゃ、またね」