結局、今回も月夜に助けられてしまった。

月夜は徐々に出来上がった人格じゃない。

ある日突然、僕の中から生まれ出た人格だった。

どの人格障害の本にも、分裂してしまった人格は統合すべきだと書かれてある。

でも僕は、月夜がいなければ何もできない。

彼がいなければ、本当に生きていけない…!

だから病院に通うことも拒否している。

決して表に出さないのなら、という2人の刑事の条件で、僕は普通の学生の生活を送れている。

だけど…僕は彼の存在を消すことはできない。

分裂してしまった、もう1人のボク。

けれど今、僕はたった1人なんだ。

家族もバラバラ。

友人関係だって、昔のことがあって、上手に作れない。

心を許せるのは、月夜だけなんだ!