口ごもる希更さんの様子を見て、僕は確信した。

やっぱり…エサとされていたか。

「良いです。何も言わなくて」

「ハルくん…」

「事件があの日以来、ピタッと止まれば、怪しまれるのも当然ですもんね」

遊間はあの日、僕と月夜が話しているのを聞いて、確信したんだろう。

僕と月夜がまだ、切れていないことを。

だから事件を起こさなくなった。

目的は達成されたから。

「…月夜くんの方は?」

門馬さんが不安そうに僕を見る。

月夜の怒りの恐ろしさは、門馬さんでさえおびえさせる。

「今、引かせました。大分興奮していますが、僕の言うことを聞いてくれましたから」