「今日のところはお前に免じてコイツを解放するが…。二度は無いぞ?」

―…うん! ありがと、月夜。

「全てはお前とオレの為、だろ? ならオレは引くとしますか」

月夜が肩を竦めるのと同時に、屋上の扉が音を立てて開いた。

「ハルくん! 大丈夫?」

希更刑事が、飛び込んできた。

「…っ! コレは一体…」

希更は倒れている学生達の中、1人立つ陽日の後姿を見つめた。

「ハル、くん?」

恐る恐る声をかけると、陽日はゆっくりと振り返った。