―ダメだっ! 月夜っ! 殺すな!

「ぐっ…。陽日?」

突如頭の中に響いた陽日の声に、月夜の手が止まった。

―人殺しは絶対にダメ! 僕ら、それこそもう二度と会えなくなる!

「だが陽日、コイツを野放しには出来ない。お前を傷付けたコイツを、許すことはできない」

―それでもだ! …月夜、僕はキミを失いたいくない…!

「陽日…」

切ない陽日の声で、月夜は少し考えた。

「はぁ…。分かったよ」

ため息をつくと同時に、遊間の体を屋上の床に投げ捨てる。

すでに遊間は意識を失っていた。