自分の腹の上に乗る遊間を蹴り飛ばし、月夜は身のホコリを叩き落としながら立ち上がった。

「随分出来の悪い『人形』を作りやがって…。お前、よっぽどオレに殺されたいらしいな?」

そう言いつつ、月夜は戦闘態勢に入った。

男女混ざっている『人形』達を、一瞬の躊躇いも無く暴力で地面に叩き伏せる。

そこに、迷いや罪悪感なんてまるでない。

陽日に傷付けた連中に、月夜は容赦しない。

陽日を守る―それが月夜の存在意義だから。

「はっははっ…! まさか陽日が、ツキヤだったなんて…!」

『人形』達が次々にやられていく中、遊間は狂喜の笑みを浮かべた。

「そうか…そうだったんだ! ツキヤ、キミは陽日が生み出した人格。陽日は二重人格だったのか!」

「何を今更。オレが誰よりも何よりも陽日を優先し、大事にしてきたことを知っているんだろ? なら、簡単に出せる答えだ」