遊間は片手を外した。

すると『人形』の1人が、遊間の手に、ナイフを持たせた。

「キミを傷付ければ、さすがに彼も出てこないワケにもいかないだろう? キミは彼に、大事にされてたんだし」

「やめっ…! ゆうっ、まっ!」

そんなことしたら、本当にボクが現れてしまう!

それだけは!

「最後のお願い、だよ? 彼に会わせて」

僕は唇を噛んだ。

それでも…それでも僕は!

「ダメだ」

ハッキリと拒絶した。

「そっ。じゃあ仕方ないね。彼の怒りを買うのは予定外だけど、しょうがないもんね」

そう言った遊間の手に握られたナイフが、僕に振り下ろされた…。