「月夜と会う為だけに、あんな事件を起こしたのか!」

僕は遊間の手を振り払い、後ろに下がった。

「そうだよ。そうでもしなきゃ、彼に会えないじゃないか」

遊間はそれが当たり前だと言うような顔をした。

「あの事件の後、話していた相手、ツキヤでしょ? 彼を呼び出してよ」

「冗談っ…! 僕は月夜をもう二度と表に出さないことを条件に、表の世に出てきたんだ! アイツの好き勝手にはもう二度とさせない!」

「ヒドイ言い様だね。そもそも3年前の事件、ツキヤが動いたのは、キミのせいだって聞いたけど?」

「なっ!」

どこでそれをっ!

…遊間はどこまで知っている?

「まっ、俺が知っているのは、キミが中学時代、イジメられていたことだけどね」

「あっ…」

遊間はニヤッと笑った。