「陽日! どけて!」

遊間の声で、僕は彼女から離れた。

遊間は白い布で、彼女の全身を覆った。

そして手際良く、紐で縛り上げてしまった。

彼女はしばらくバタバタ動いていたけれど、やがて大人しくなった。

「えっと、遊間? 空気吸える所は空けてあるよね」

「口元までには布を覆っていないよ」

遊間はそう言って、彼女の口元を手で上げると、確かにそこから息を吸っているのが分かる。

「そっ、なら良いけど…」

「どいたどいたぁ!」

そこへ聞き慣れた声が飛び込んできた。

「暴れているウエイトレスはどこ?」

続く女性の声は…。

「門馬さんに希更さん!」

2人の刑事だった。