「強いて言うなら、目立ってたから。なぁんか雰囲気あるコがいるなぁって思ってたら、声かけちゃってた」

…ソッチ系だったのか?

いや、でもそういう視線じゃない。

純粋に、好奇心を感じる。

「そっそう。あっ、僕ドリンク持ってくるから」

「どうぞ」

彼はニコニコしながら手を振った。

ドリンクを見るフリをしながら、考えた。

…逃げた方が良いんだろうか?

何だか彼からは危険なカンジがする。

そう、まるで…ボクみたいな…。

がっしゃーん!

「えっ?」

店の奥から、何かが割れる音がした。