声をかけてきたのは、僕と同じ歳ぐらいの青年だ。

でも見覚えが無い。

男にしては、キレイな顔をしている。

彼は1人で、僕の目の前にいた。

「もしかして1人? 俺、これから昼食べるんだけど、1人じゃ味気なくてさ。良かったら奢るから、一緒に行かない?」

辺りに素早く視線を回すも、確かに彼1人みたいだ。

「う~ん…」

でも危険そうな感じがする。

「あっ、警戒してる? 安心してよ。そこのファミレスなら、安全っしょ?」

そう言って彼は僕の上を指さした。

今まで背を預けていた店の2階には、確かにファミレスがある。

「それでもまだ警戒するなら、ホラ、身分証明」