「オレは動いていない。だから事件にも関係無い。だが…模倣犯だなんて笑わせるな」

急に眼に野生的な光が宿った。

その眼を見て、不安が胸に広がる。

「オレがしたことをマネるなんて、ふざけたヤツが出てきたもんだ」

「それはっ…! しょうがないだろう? 3年前、あんなに世間が騒いだんだし…」

「だがオレが動いたのには、訳があった」

ボクは僕に向かって歩き出す。

そしてすぐ目の前で立ち止まり、真剣な表情で見つめてくる。

思わず心が揺れ動く。

「オレはお前の為に動いた」

スッと両手が上がり、僕の顔を包み込む。

「…っ!?」

びくっと体が竦む。

冷たくも優しく触れてくるこの手を、僕は振り払えない…!