夢の中で、僕はボクに出会う。

僕と同じ姿、声をしながら、もう1人のボクは正反対の性格をしていた。

―よぉ。

軽々しく声をかけてきても、僕は顔を背け、ムシをした。

―何だよ。つれねーな。昔はよくオレに泣きついてきてたのに。

―うるさいな。

あくまで顔は背けたまま、僕は小声で呟いた。

―何か困ったことがあるたび、オレを頼ってきてさ。可愛かったのに。

向こうを見ずとも分かる。

きっとわざとらしく、肩を竦めているんだろう。

―…だがな。

急に間近で声が聞こえて、思わず顔を上げてしまった。