調理実習中に梓が真里を刺すという、悲惨な事件があった翌日―――

 ウチは約束通り、高井から好きな人を教えてもらうために、放課後……高井の指定した、人気のない廊下で待っていた。
 ここは、ウチが呪いサイトを使ったことを、真里が梓に話していた場所だった……。

 今日の部活動はどこもない。警察の捜査の邪魔になるからだ。

 ―――こういう所に呼び出すなんて……もしかして……!?

 淡い期待を抱きつつ、ドキドキしながら高井はまだか、と辺りを見回す。
 クラスメイトとでも喋っているのか、まだ来ていないようだ。

 ―――こ、告白されるかも……っ!?

 そうしたら、念願の彼氏ができる!

 心の中がわくわくで満たされていく。だが―――もし告白されなかったら? 高井の好きな人は……ウチではない、別の人ということだ。
 その場合はどうしようか……。

 ふと頭に浮かんだ考えは、躊躇いがあった。だが……


「何が何でも、高井はウチのことしか好きになっては駄目よ!!」


 その考えから、躊躇いは捨てる。

 もし、ウチのことが好きじゃないとわかれば―――速攻あの呪いサイトに書き込んでやる! 容赦はしない。

 ウチはそう決めたのだった。