「しぃ、行こ?学校」

「ナツー!!」


透き通るような金に見えるシャンパンアッシュの髪を風に揺らして、微笑むナツの胸に飛び込む。
フワリと香るシャンプーに混ざったシトラスに包まれて顔を上げ笑い掛けた。



「ナツも楽しみだったよね?」

「うん、また屋上で寝れるから」

「ん?なんか…ちょっと違う?」



嘘だよ、とあたしの髪をクシャリと撫でて目を細めた。



「ナツは紫苑に甘ぇんだよ」

「紫苑、返してちょうだい。ナツ」

「…ニヤニヤしてんなよ、紫苑」

次々にブーイングする流衣、心、音弥を見てピースサイン。

ナツは昔からあたしの味方をしてくれて、最終的には心も音弥も流衣も折れる。



居心地が良すぎるこの空間がとても愛しいの。


「紫苑、行きましょ」

「うおーい、紫苑ー」

「置いてくぞ」

「…ほら、しぃ」



差し出された手を握って、青空の下皆のもとへ走り寄った。