警察も手掛かりなどなくて、ただただ時間が過ぎるだけだった。


小林は毎日送られてくる写真におびえ、学校へと来なくなった。


何も出来ない。何もしてやれない。

そんな悔しくて堪らない状況に一番耐えられなかったのは紫苑だった。


「なんで…っ、どうして!?どうして、何も出来ないの…!」


瞳をうるませ、心にすがりつく紫苑の肩をナツが押さえる。


「しぃ、…落ち着いて」

「だって、ナツ…!真理子が苦しんでるの!!ご飯も食べれないし、何よりも外を怖がってるの…!!あんなにテニスが大好きで、運動するときが一番幸せって言ってた真理子が!!」


俺たちはクラスメートのために何もしてやれない。