「でも、…何かしなきゃ…っ」

「なあ…っ、これ見てみろよ!!」


ノートパソコンを持って流衣が机に寄る。


デスクトップに表示されてるのは、ここら一帯の地図。そこに赤く点滅する印が何個か点在していた。



「流衣、これ…なに?」

「…被害者の家と…学校かしら?」

「ああ、地図に示してみれば何か分かると思ってな!!」


それを俺とナツが目を細めながら見つめる。



「貸してみろ」

「…音弥?」


カチカチッと操作し、大きな円を画面上に出す。



「音弥、なに?このおっきな円」

「……ふぅん…、犯人の…犯行領域…だね」

「ナツ当たり」


犯人はそんなに広範囲で犯行を行ってはいない。つまり、そいつの居住地もこの範囲内。



「ここまで、狭められただけ恩の字ね」

「あぁ、まずは、被害者たちに何か共通点がねぇか探すぞ」



見えない犯人の尻尾がすぐ目の前にある気がするのに捕まえられねぇこの状況に苛立ちは収まらなかった。