流星ワルツ




渡瀬家のお手伝いさんの格好をしてる3人は、3人のことを知らない人にとってはどう見てもお手伝いさんにしか見えないだろう。…この際、髪の色なんて気にしてる余裕なんて叔母様にはないようだ。


取り乱した叔母様はあたしの呟きなど耳に入らないようで、「早く彼を捕まえなさい!!追い出しなさい!!」と叫んでいた。



「では、失礼します。奥様」


音弥がゆっくりと、叔母様の腕を掴む。


「何してるの!?あなた!!自分の仕事を全うなさい!!」

「は?だから、してるだろうが」

「…あな…た、…口の利き方…」

「…ここから、いなくなるのは…アンタだよ」


そう言ってナツが静かに叔母様を睨み付けた。叔母様は、力が抜けたかのようにふらふらと廊下の壁に寄り掛かって座り込んだ。



「…心、返してください」

「紫苑…っ」



あたしの幼馴染みは見通しもない一か八かの賭けをするかのように、行動を起こす。


普通…、幼馴染みの顔合わせなんて来ないわよ…。


それでも…─。


「っし、行くぞ!!」

「ちょ、流衣、待っ…!!」


そんな……4人がこんなにも愛しい。