「今年度の会計になりましたーっ!!白河紫苑と」

「…ふぁ」

「ちょ、ナツ寝ないでー!!」


紫苑に肩を揺すられ、少しだけ目覚めたナツが浮かべた笑顔は最前列の女子生徒の顔の沸点を上げた。



「さがら…ナツ」


ナツは流衣と違って隠れて想われるパターンの方が多い。だって…。


「決意表明は…しぃに仕事をちゃんとやらせる」

「ナツのばかー!!ちゃんとす…」

「でもトラブル増えるのは、やだから適度に」

「ナツゥゥゥゥウ!!」



ナツの紫苑への想いは有名なんだもの。…でも、紫苑を好きな男子生徒は流衣曰く「攻めまくり」らしいけれど。



「紫苑に出来んのかー!?」


そう声掛けがあると、紫苑は拗ねたように頬を膨らませマイクを持って言い返す。



「あたしだって計算ぐらい出来…」

「しぃだってやる時はやるよ」


言われた紫苑よりも、むっとした表情を浮かべる流衣曰く「王子」はまたもや女子生徒の好感度を上げていく。



「とにかく頑張りますのでっ」

「よろしく」



2人のある意味息の合った挨拶に胸を撫でるけれど、本当の心労はここから。



『では、生徒会長お願いいたします』



──…音弥。