あたしの手首を、強く握っていたのは佐藤さんだった。

「…千尋ちゃん?」

何で。


「あ~、千尋ちゃんだったのか~。毎日誰がくれるのか悩んでたんですよ~。」
ものすごく恥ずかしい。
「は、放してくださいっ」

「千尋ちゃん。はい。」

佐藤さんがくれたのは、有名なメーカーの飴玉だった。

「賞味期限があるから今日中に食べてね。」


…賞味期限?