「おはよう理奈!」

家を出て歩いている途中で拓哉に会った。

「あんた、なにその格好…」

「高校生デビューてゆうやつかな」

ニカッと笑い自分の髪を自慢げに触っていた。


「だらしない!」

「えっ?」


どうみても拓哉の姿は、だらしなかった。

髪はツンツン。

ズボンはケツパンで、シャツのボタンは、4つも開けてあり、胸板が見えていた。


「ちゃんとしなさい!」

「スミマセン。お母さん。ちゃんとします…」

拓哉は大袈裟にショボンとして下を向いた。


「誰があんたのお母さんよ!私にもし息子がいたら、礼儀正しく、清楚な子供に育てるわよ!」

「ヒドイ…そんなに嫌がらなくても…」

今度は本当にショックみたいで、眉を寄せていた。

「拓哉は、私の弟みたいなものでしょ」

私は、ショックをうけている拓哉に慌てて言った。

「本当?」

「本当だから。ほら遅刻するから急ごう。遅刻したら拓哉のせいだからね!」

「ハイハイ。わかりましたよお姉ちゃん。」


私たちは、急いで高校に向かった。