私たちは、ジェットコースターに乗りまくり、次に何に乗るか考えていた。


「拓哉。どうする?ほとんど乗っちゃったね。」


「じゃあ、あそこ入らねえ?」

拓哉の指を指した方には、いかにも何か出そうなお化け屋敷があった。


「無理!!私がそうゆうの嫌いなの拓哉も知ってるでしょ?」


「そうだったっけ?残念だな~。お化け屋敷に入って最後まで行けたらご褒美に、何か買ってあげようと思ったのにな~」


拓哉は、知らないふりをして、大袈裟に肩を下ろした。


「何買ってくれるの?」


「秘密。どうする?」


(入るのはイヤ。でもご褒美が気になる…)


「俺と入るの理奈はイヤ?イヤなら俺我慢する。」


いきなり態度が変わり、子犬みたいな目で私を見てきた。


「その目やめてよ!入れば良いんでしょ!入れば!」


「ああ。気絶するなよ?」


子犬みたいな態度はどこへやら。


拓哉は、口の端だけ上げると私の腕を掴み、お化け屋敷に入って行った。