「どっちも本当の俺だよ。理奈に嫌われたくなくて、隠してたけど…」

震えた声と手

(嫌いになるわけないのに…)

「ねえ。拓哉。」

「何?」


「好きってなんなんだろうね?私は拓哉が好き。拓哉がいないと寂しいし、一緒にいると安心する。でもその気持ちは、友達としてか、恋人としてかわからない…。」


拓哉は少し考えた顔をしたがすぐに口を開いた。

「じゃあお試しで付き合って。それでもダメだったら俺諦めるから。」


拓哉の真剣な目と言葉で私は断ることができなかった。


「良いよ。拓哉っていつから私の事が好きだったの?」


いきなり聞かれた質問に驚いていたが、拓哉は話し始めた。


「俺が理奈を好きになったのは………」