次もそうだ、風呂に入ってるはずのハルを殺したつもりが、部屋を尋ねてきた時には心臓が止まるかと思った。

 浴室のドアに背を向ける様に湯船に浸かっていたのは、髪型がハルと同じである坂上だった。その後浴室で、改めて坂上の死体を見ると本当にがっかりした。

 殺したかったのは、お前じゃない!

 そしてヨーグルトはハルしか食べないんだからと、夜中にこっそり、注射器でトリカブトの毒を入れておいた。

 でも今朝起きて食堂に行くと、何故か久美子さんがそれを食べて、死んでいた。
 さすがに俺は腰を抜かしたよ。
 殺したかったのは、お前じゃない!

 殺したかったのは、お前じゃない! お前じゃない! 俺は心の中で、何度も叫ばずにはいられなかった。

 どうしてなんだ。何でハルは死なないんだ?

 俺はもう耐えられない。間違えてみんなを殺してしまった。

 みんなそれぞれイイ奴らだったのに……。

 これも全部、ハルのせいだ。

 俺はみんなに申し訳ないから死ぬ事にする。
 ここまできたら、もうそれしかないだろ?

 それにどうせハルは生きてるんだろう? 死なないんだろう?

 そして、この遺書を読んで驚くだろうな。

 でもなぁ、驚いたのはこっちだよ。
 お前は絶対に死なないんだからな。
                         
          浦山研二ことポッコリ殿