それでも君と、はじめての恋を



「……今度、は。あたしの番ね」


そう言うと、やっぱりモモは少しだけ口の端を上げるだけで、あたしの胸は小さく音を立てて締め付けられる。


そんなことを知る由もないモモは、自分のコーラに手を伸ばして飲み始めた。


好きだなぁ……こういうとこ。

気付くのに遅れるくらい、自然な優しさ。



モモとあたしの、勉強会の時と同じセットがひとつのトレーに並ぶ。


こういう、何がいい?って聞かない不器用なとこも、好き。


……聞かないんじゃなくて、聞けないのかな? まあ、そのあたりはどっちでも……。


「!?」


モモに見惚れていたあたしは、モモが前方を見て肩を揺らしたのに気付く。


その視線の先には葵と純がいて、あたしも同じように体を跳ねさせてしまった。


「……えぇ~。詐欺じゃないのそれぇ」

「何その、似合わないジェントルマンっぷり……」


目の前に座る葵と純が睨むようにモモを凝視していて、そのオーラが何だか黒く見えるのは気のせいじゃないと思う。