「――モモ!? 買いすぎじゃない!?」
思わず二度見してしまって、あたしは自分の分を買いに行く前に突っ込んでしまう。
トレーの上には、ざっと見ても明らかにふたり分はある。
「……そう?」
「食べられるならいいんだけどさ」
勉強会で結構食べる方だとは思ってたけど、そんなにお腹が空いてたとは無表情じゃ分からない。
「……矢吹って、小食だっけ」
「いや? そんなことないけど……」
何でそこで、あたしの話に……え?
「え? あれ? これ……まさか、あたしの分も入ってる?」
頷くモモに頬が染まるのが分かる。ついでに純と葵の視線も感じるけど、不思議そうにしてるモモから目を逸らすことが出来なかった。
結局、モモから目を逸らされちゃうんだけど。
「ありがとー……」
「いや、……しくじったのかと思った」
「そんなことない! ありがとう! お金、今……」
隣にモモが座って、持っていた財布からお金を取り出そうとすると遮られる。二つ折りの財布が、大きな手によって再び閉じられてしまった。
見上げると、あたしにしか分からないんじゃないかってくらいの微笑み。



