それでも君と、はじめての恋を



「……別に、いいけど」

「え? ……え? いいの? だって、見知らぬふたりだよ!?」

「うん」


あたしが驚いてるのを横目に、純と葵に観察されてるモモは大した変化も見せずカバンを持って椅子から立ち上がった。


それに合わせるように純が「ふ~ん」とモモの背中を見ながら意味ありげに笑い、葵はそんな純を見る。


「じゃ、行きましょっかぁ~!」

「先に下駄箱行ってるから」

「あ……うん」


ふたりはベランダから姿を消して、あたしはモモを見上げる。行かないのかって思ってるのは、分かるんだけど……。


「えと、行こうか」


そう言うと、モモは歩き出してあたしは後を追う。


1組の人が「えー、何?」とか「どういう組み合わせ?」と、ヒソヒソと噂してるのが聞こえたけれど、答えがあるならあたしにも教えてほしい。


……モモが嫌だと断るとは思ってなかったけど、こんなにアッサリ承諾するとも思ってなかった。


じゃあ、どういう反応すると思ってたんだって聞かれても困るんだけど……。


あたしの少し前を歩くモモの後ろ姿が、何だか知らない人みたい。言いようのない不安って、こういうことなのかな。


なんて言うか……。


大丈夫!? マジで! ……って、叫びたい。いや、ほんと真面目に。