「あのさっ」
「俺たちと遊ばなぁ~い?」
勇気を出して振り絞った声が妨げられて、あたしは固まる。モモすら目を見開いて、背後から聞こえた声に振り向いた。
「まあ、拒否権ないけどね」
教室で待ってるって言ったくせに……!
モモの背後というより、横。1組のベランダから顔を出すのは、紛れもなく純と葵だった。
「何で来るの!?」
「だぁって遅いんだも~ん。待ちくたびれちゃったゾッ」
「純キモイ!」
「つか、行くって言ったんだからもういいじゃん」
「行くとは言ってない! 時間があるって言ったんだよ!」
「「一緒じゃん」」
ケロッと言うふたりグッと口を噤んで、きっと困惑してるモモに話しかける。
「ごめん。このふたりも一緒にいいかなって、聞こうと思ったんだ……」
嫌に決まってる。
ああだってほら、顔が。
無表情通り越して怒ってる気がするんだけど、どうなの? やっぱダメ?
あたしまだまだ、モモのこと分かってないじゃん。こんなんで、今日が無事に終わるとは思えない。



