「そ。ありがと」
「……こちらこそ、どうもありがとう」
「……どういたしまして?」
府に落ちない感じで疑問形で返してくるモモに、口元がニヤける。
机の横からカバンを取ったモモに、ニヤケてる場合じゃなかったことを思い出し、慌てて口を開いた。
「そうだ、それでさっ、今日ヒマ!? 時間あるかなっ」
カバンの中身を確認していたモモは一度あたしを見てから、カバンのチャックを閉め、「あるよ」と言う。
「ほんと!? 良かった! 勉強教えてもらったお礼をしたくてさっ、どっか遊びに行きたいと思ってて! ……で、あの」
言葉に詰まったあたしを、モモは見上げてくる。
こう会話が止まると、教室に残ってる1組の方々の視線が強烈に突き刺さるのを感じた。
「何?」
ああ……何かコレ、モモって呼んでいい?って聞いた状況に似てるよね。
って、そんなことは今どうでもよくて。



