それでも君と、はじめての恋を



「ねぇ桃井くん。兄弟っている?」


注文したものをほとんど2人でたいらげて、桃井くんは意外に食べる人だと知った中、あたしはストローをくわえる桃井くんに問いかけた。


「妹が」

「え! 妹いるの!? ひとり?」


うんと言うように頷く桃井くん。失礼だけど、ビックリしてしまった。


1人っ子だと思ってたなぁ……。


「あたし2個上にお兄ちゃんいるよー……いくつ? 妹さん」


そう尋ねると、桃井くんは少し考えるそぶりを見せて「このくらい」と、身長の高さを手で表した。


「……ちっちゃくない?」


桃井くんの手の高さはちょうどテーブルと同じくらいで、1メートルと少しあるくらいだ。驚くと、桃井くんはジッとテーブルを見る。


「今、5歳」

「え!? 超離れてるね!」


一回り違うんだ……。それはちょっと、だいぶ可愛いんじゃない?


「へぇ〜。そっかぁ。何か、意外」


関心するように言うと、桃井くんはコーラを飲んで特に返事はしない。あたしはもうそれに慣れてきて、次の質問に移る。


「趣味ってある?」

「……特に」


んー、そうか。じゃあ……。