それでも君と、はじめての恋を



何か、緊張。ご飯なんて学校でいつも一緒に食べてるし、今更可愛こぶって食べても意味ないんだけどさ。


目の前と言うよりは、斜め横に座るモモがドリンクを置いた。包みに入ったバーガーを取り出すのを見て、あたしも自分のアップルパイを手に取る。


なーんでコレにしちゃったんだろうなぁ……。いやもちろん食べたかったからなんだけど、手に伝わる熱さに内心ドキドキしてしょうがない。


箱から取り出していざ食べようとすると、多分、モモの視線を感じた。


……え? 見てる? 見てない?

サクッ、とひとまず食べたとは言えない程度に端っこをかじり、モモに視線を移す。


めっちゃ見てる……!!


目が合うとモモは視線を逸らすけど、どうしたんだろう。


さすがにまじまじと食べるところを見られたくはないから、暫くモモを監視していたけど着々とハンバーガーを食べ進めている。


まあ、いいか。
そう思って再び食べようと口を開けると、また感じたモモの視線。


何で! 何でそんなに凝視してくるの!?


恥ずかしがってもしょうがないとパイに噛み付くと。

「あっ!つぅ……!」

熱すぎるアップルフィリングが容赦なく口の中に飛び込んできた。すぐに片手で口を押さえると、見ていたモモがなぜか驚いている。


ああ……だから嫌だったのに。いっつも火傷するんだもん。


ヒリヒリする舌に気休めのアイスティーを与えて、恥ずかしさも一緒に飲み込んだ。


「……大丈夫?」

「熱かった」


ムスッとした表情で伝えると、モモはめずらしいものでも見るような目つきでアップルパイを凝視。


「熱そうに見えない?」


頷くモモに食べたことないのかな、と思う。そういえばいつもセットメニュー頼んでるかも。