それでも君と、はじめての恋を



モモって本当にバカ。ダメ男。

だけど、そう。だけど。


「今日が2ヵ月記念日だから? これ、あたしのこと考えて買ってくれたの? もらっていいの? 明日から付けてきてもいい?」

「……もう、ほんと勘弁して」


真っ赤になるきみが、愛しくてたまらないよ。



「好き」

「……」

「あたしモモのこと、すっごい好き。超好き。大好き!」

「ちょ、や、分かった。分かったから……口閉じて」

「好きだって言ってんのっ!」


俺も。とかそんなことモモが言うとは思ってないけど、ほんとに分かってるのかと思う。


「モモが好き」


彼女が好きだって言ってるのに、何か言うことはないの?


好きだと言う割には怒った顔をしてるあたしに、モモは困ってるのか呆れてるのか、眉を寄せて口をつぐむ。


どっちにしても顔はほんのり赤いままなんだけど。大きな手で目を覆ったモモは長い溜め息をついて、そのまま唇を動かした。


「直球すぎる……」


ボソッと悔しそうに、恥ずかしそうに呟いたモモに胸がぎゅうっと締め付けられる。


好きと言う以外に何て言えばいいのか分からないのに、モモは直球すぎるって言う。


じゃあモモは好きって気持ちをどう伝えるのか、なんて。あたしの手の中にあるピアスが証明してくれてるけど。