それでも君と、はじめての恋を





改めて好きだと口にするのって、恥ずかしい。


「そうでもなくない?」

「葵は言えるの!?」


昼休み、モモと純が購買に行ってる隙に相談を持ち掛けたあたしは、葵の返答に驚いた。


「あたしは好きって言われる側だから、あたしもーって返すだけのが多いかな」

「ああ……なるほど……」


そうだね、そうだ。そういうカップルもいるんだよね……。


「ていうか渉は勢いで言うタイプでしょ。ごちゃごちゃ考えて意識するからダメなんだって」


机にお弁当を広げながら言う葵の言葉に納得出来るような、出来ないような……。


「それはつまり、ギュン!ってなってワー!ってなって、好き! みたいなことでしょ?」

「ギュン? 分かんないけど、まあそんな感じじゃないの」


適当に答えてません?


「いただきます」とお弁当を食べ始めた葵を見てから、自分も箸を持って卵焼きを掴んだ。


勢い。勢いかぁ……。あたし、告白した時も勢いだけだったから、あんな感じ?


あとはモモが曇りガラスにスキって書いてくれた時と、か……。


思い出して、頬が染まったのが分かる。


ああいうのを多分、高揚したって言うのかもしれない。それがきっと、あたしの勢いに繋がるのかな。


あんなに胸が熱くなることが今日起これば、好きと言いまくれる気がする!んだけど……どうかなぁ……。