それでも君と、はじめての恋を



モモが妹さんにあたしの話をしているなら、嬉しいと思う。


妹さんが折り紙で作ったものをプレゼントしてくれるってことも嬉しい。


あたしに対して悪くはない感情を持ってくれてるんだろうなって思うし、どれも嬉しいことなのに素直に喜べない。


だってモモは、経緯も理由も話してくれないんだもん。


話さないってことは、モモにとってはどうでもいいことなのかな。話すほどのことじゃない?


「はぁ……」


昨日から溜め息ばっかりついてるあたしに、葵と純の視線が突き刺さる。


ていうかあたしは記念日のことで悩んでたはずなのに、いつの間にか一緒に帰れないことが悩みになってる。


まあたかが2日だけど。土日合わせると4日なんだけど。


それでも一緒に帰りたいって思った時に帰れないのは落ち込む。


同じクラスになって、学校ではいつだってモモの姿が見られるのに。一緒に帰れないことなんて、どうってことなかったはずなのに。


きっと記念日が近いせいだ。

そのことで話したかった。一緒に帰ってふたりきりで話したかったから、こんなに落ち込むんだ。


ついでに手を繋ぎたいって願望まで出てきちゃう始末。


「どうせ低レベルな欲求だよ!」

「えぇ~……俺まだ何も言ってないじゃぁん」


まだって! 言う気満々なのがモロバレなんだよバカ純!