それでも君と、はじめての恋を



「……」

ついてっちゃ、ダメかなぁ……。


モモの困った顔を見上げてるくせに、分かったとも一緒に行きたいとも言えない自分はいくじなしかもしれない。


……ついていくのはダメっぽいな。


モモから一緒に行く?って言われるのを待っていた自分はズルイ。一度目を逸らされたことで、そう思う。


「分かった! 妹さんによろしく」


再び目が合って笑顔で言ったあたしは、バス停まで一緒に行くという言葉を飲み込んだ。

校門を出てすぐにあるバス停までじゃ、逆に物足りなさを感じてしまう気がして。


「ごめん」


そう言いながら右半身を一歩後ろに下げたモモは急いでるんだと分かる。


それでもあたしの表情を窺うモモにバカと言ってやりたいけど、大人しく頷くだけにした。


「……」

「……ん? 何?」


何か言い掛けたモモはあさっての方を向いて、「いや…」と口ごもる。


「じゃ……またね」


言わないのかよ!


背を向けて歩き出したモモに心の中で突っ込んで、眉間に皺を寄せた。ついでに溜め息もついたけど、仕方ないことだから諦めるしかない。


――って思ってるそばから後悔してるけど。バス停まででもいいから、一緒に帰ればよかった……。