それでも君と、はじめての恋を



「メールが返ってこない!!」

「ドンマイだよ」


心を込めて言ってほしい!


昼休みになったというのに、1時間目に送ったメールの返信はまだ来ない。よくよく考えれば、モモにちゃんとしたメール送ったのはこれが初めてだった。


メアド交換した時に送ったきり、なんだかんだで一度も……。


「どうしよう! もっと考えて送るんだった!」

「早く購買行かないと、売り切れるよ」

「……モモが葵みたいに分かりやすかったらいいのに」


どうでもいいから早く購買に行けと言葉の裏側にある声を聞いて、あたしは財布を持って席を立つ。


「いってきます……」

「あ。渉ぅ、俺の分も買ってきて~! はい、お金っ」


トイレに行ってたんであろう純と入れ違い、千円札を差し出される。


文句を言う気力もないまま受け散って、「やきそばパンね~!」という言葉を背中に受けながら、とぼとぼ購買へ向かった。


急いで家を出たから、お弁当を忘れた。何だか今日のあたしは、色々とツイてない気がする……。