それでも君と、はじめての恋を



「は!? 何!?」

「何じゃないっつーの!」

「何で桃井 寶がウチのクラスに来んの!」

「あの噂、本当だったわけ!?」


モモを追いかけたかったのに、クラスメイトのギラつく視線に負けてしまう。まるで獲物を捉えたハンター。


あたしは気圧されて、椅子に座らざるを得なかった。


「桃井 寶が渉と親しくなったって、マジだったの!?」

「どういういきさつで!?」

「てか話して大丈夫なの!?」

「ちょ、落ち着いてくれるかな……!」


友達ができただけで噂になるなんて、さすが一匹狼。



「「「どういうこと、渉っ!」」」


でもやっぱり、かっこいいと騒がれていただけあるかもしれない。


この食いつきっぷりは、何かを期待してるように感じるのは気のせい……じゃないらしい。


助けを求めて見た葵が、呆れたような視線をクラスメイトに向けていたから。