それでも君と、はじめての恋を



「……何やってんの?」

「お~葵っ! お帰りぃ」

「ありがとね桃井。……で、何したの?」


葵がきっと赤いであろうあたしの顔を見てから、モモを見上げる。


モモは少し戸惑ったようで、あたしを見てから葵に視線を移した。


「矢吹がいつもと違うって池田が言うから……口かと思って」

「口?」


あぁぁぁぁあああ……。


恥ずかしい! 消えたい! 今すぐここから立ち去りたい!


「……へぇ。気付くなんてやるじゃん、桃井」


ニヤニヤと口の端を上げる葵に、もう本当にこの場から逃げたい衝動に駆られる。


「いつもはもっとキラキラしてたなと思っ……」

「ぎゃぁああああ! もうやめてぇぇええ!」


顔から火とか出せる! モモからキラキラなんて言葉が出ると思わなかった!


ていうかマジでほんとこの話やめてほしい! もうあたしのメイクが中途半端だってことだけで終わらせていいから!


「……気付かないから、バカって言ったんじゃないの」


その通りですけども!

それとコレとは別っていうか、ね!?

純と葵にいじられるから、ね!?



あたしはモモとふたりの時しかグロス使ってなかったんだよ!