【穂乃歌】


窓から支葵が見えた。
だから私は教室を飛び出し、
大きな校舎を抜け、校門まで走った。

和哉クンと2人でいたから、きっと…
てゆーか絶対…言い合ってる…んだろうなぁ…


『もう!』


だいたい学校に来てなにするつもりなのよ!?



校門の傍までくると、2人の姿を捕らえた。



『支葵!何で来てるの!?』

「穂乃歌!」


ちょっとビックリした。



支葵の大きな声…
初めて聞いた。


なにか急いでいるの…?



「帰るぞ、穂乃歌。」

『は?ちょっと待ってよ!
 私学校!』

「学校にはもう連絡済だ。」


訳分かんない!
なんで帰んなきゃなんないの!・


『家に何の用があるのよ!』

「訪問者だ。」


訪問者…?
私を連れ戻してまでする、訪問者って…まさか…



『帰りたくない…』

「しょうがないだろ…」


和哉クンが口を挟んだ。


「帰りたくないらしいぜ?」

「お前には関係ない。」

「お前のお嬢様がかえりたくなって言ってるんだ。
 従わねぇのかよ?」

「これは話が別。それに…なぁ?穂乃歌?」