辺り一面に、血の雨が降る。

ボタボタ… びしゃっ 

彼の体にも、わたしの体にも血が降り注ぐ。

…ああ、わたしはこの血の匂いに感じを覚えている。

目の前が真っ赤に染まる。

あ…そうだったんだ。

そうか、わたしは…。

『何か』だったんだ。

目の前がクリアになっていく。

やがて病院にいた全ての人間を殺し尽くしたのか、闇は静かになった。

池もあれだけ大勢の人間を飲み込んだというのに、静かなままだった。

わたしは立ち上がり、青年の目の前に出た。