2人が教室に入ると、まだ
HRが始まっていないのか
賑やかな話し声が至る所
で溢れ返っていた。


「お~ヤヨじゃないっ!!
どこ行ってたのさぁ」


弥嘉の姿を見るなり耀は
声を張り上げて、左右に
大きく手を振った。


「――すみません、少し
図書館の方まで足をのば
していました」

「朝っぱらから図書館で
勉強か~知的だねぇ」

「いえ、そういうわけで
はありませんが……」

「んま~照れちゃって!!
今のうちから学んでおく
に越したことはないから
ねぇ☆いや、感心感心」

「いや、あの、その」


弥嘉は、耀の思い込みを
正そうと努力してみたが
結局は徒労に終わった。




すると、弥嘉の前に悠然
と鎮座する金色の塊が突
如として動きだした。


「随分と楽しそうね?」


翠はそう言って頭を上げ
るなり、眠気眼ながらも
妖艶に微笑んだ。


「――――!!!!!!!!!!」


それを直に目の当たりに
した弥嘉はまたもや体を
硬直させていた。