今までの疑問が解消され
満足げな表情を浮かべた
壱加だったが、ふとある
ことに気が付いた。


「……他の奴らはこれを
解読出来たのか?」


すると三沢は声だけでも
推測出来るくらい非常に
明るい様子で答えた。


「キーワードは不自然に
ならない程度にその都度
強調されてたから、大体
意味は理解出来たぞっ!!
だから他の奴らも的確に
動けたんだろうな!!」


彼がそう言いつつ豪快に
笑うと、壱加は傍目から
見ても分かる程に大きく
肩を落としていた。


「マジかよ!?分かんなか
ったのもしや俺だけ?」

「まあまあ……壱加様は
分からなくても特に支障
ありませんでしたから」


落ちこみのあまり徐々に
うなだれてきた壱加を、
弥嘉は何とか宥めた。


「百歩譲って他の奴なら
ともかく、よりによって
いかにも単純そうなこの
オッサンでも理解出来た
事が、俺には全然分かん
なかったってことが悔し
すぎる……じゃなくて!!
いい加減それ止めろ!!」

「………………へっ?」


彼の激しい感情の起伏に
ついていけずに、弥嘉は
あまりにも間抜けな声を
出してしまった。