「ネットで……」と言いかけると、


「もしかして株とかやってるの?」


 ひとみに訊かれたので、そういう事にしようと思っていると、


「タイ米に株なんて出来ね〜よ!」


 と田中が冷たく一言、言い放った。


「え〜そんなの分かんないじゃない」


 ひとみが反論すると、すかさず竹山彩が下品に言った。


「だってタイ米、頭悪すぎじゃん。学年でも万年最下位だったしハハハハハ」


 俺は顔を真っ赤にして黙った。

 そこで、他の話題に移った為、俺の職については追求されなかった。

 食事が終わると、双子のケンとマサに後片付けまで命じられた。

 キッチンに運んで洗い物を始めると、


「何か手伝おうか?」


 ひとみと可奈子が現れた。

 可奈子は冷蔵庫を開け中を覗き、手伝う気はなさそうだ。こいつはただ単に、食い足りないだけなんだろう。その証拠に、いつの間にか手にはチーズとプリンを抱えてる。

 俺は一人で計画を練りたい事もあり、断った。


「ありがとう。でも俺、結構家事好きだから」


 家事などした事もないが、嘘をついた。

 ここに来ている八人の中で、ひとみが一番優しい。だが、旦那の松島悟は嫌いだ。


「そう? じゃみんなで遊技場に居るから終わったら来てね」


 そう言って二人はキッチンから出て行った。