俺は無言で料理をみんなの席に配り終えると、螺旋階段を上った。

 ふん、竹山彩はとっくに死んでるっていうのに、バカな奴らだ。

 そして竹山彩の部屋をノックし声をかける演技を終え、食堂に戻った。


「竹山さん、ノックしても返事ないよ」


 俺が一言そう言うと、全員で竹山彩の部屋に向かった。


「彩? 寝てるの? 夕食みんなで食べよう?」


 ひとみが優しく声をかけたが、返答がない為、松島悟はドアノブを回した。しかしドアにはカギがかかっていたのだ。


「彩に限って、中で倒れてたりしないよねぇ」


 可奈子が、あまり心配していない様な口振りでそう言うと、


「カギは一つしか作らなかったから、無理矢理開けるしかないな」


 双子のケンとマサが、がっかりしながら言った。

 そして、力のある松島悟がドアを無理矢理壊し全員で中に入った。

 部屋に、竹山彩の姿はなく、


「うわぁ〜〜〜〜〜!!」


 田中が叫び、腰を抜かした。

 目の前には浴室のドアにタオルをくくり、首を吊って死んでいる竹山彩がいた。すかさず、医者である松島悟が脈を取り瞳孔を調べ、言葉は何も発せず首を横に振った。泣き出す者、パニックになる者、みんな騒然としていたが、俺だけは冷静で、その間、竹山彩の机の上にあるカギと、俺の持ってるカギを摩り替えた。

 成功だ! 密室殺人が成功した事で、俺は舞い上がり、心の中で小躍りした。

 竹山彩はゲームオーバー、俺は一面クリアの一UPだ。