孤島の結束

 俺は双子のケンとマサからカギを受け取り、食堂にある荷物を各部屋に全て運ぶと、遊技場へ戻ってきた。

 だが、作戦実行するために踵を返しキッチンに向かった。

 キッチンに着くと全員分の紅茶を入れ、その時すかさず一つのカップにだけ睡眠薬を入れ、溶かした。人数分のカップを食台に乗せ、遊技場に運ぶと案の定、みんなバラバラにいるので、俺は一人一人にカップを配ってまわった。

 そして俺は竹山彩を見ながら、ニタニタしていた。


「お前気持ち悪ぃ〜よ。彩に見とれてんじゃね〜の?」


 ニタニタしているのを田中に見られてしまった。

 それを聞いていた松島悟が、


「タイ米、彩の事好きだったのか?」


 笑いながら訊かれた。


「ちっちがうよ〜。竹山さん結婚してるし……」


 俺は後から疑われないように、彩に好意を持ち、なおかつ照れている素振りの芝居をした。


「彩が結婚してなかったら付き合いたかったって事だろぉ?」


 マジタニが俺の芝居に引っかかり、食いついた。


「はぁ〜? みんな何言っちゃってんの? 冗談じゃないよ。こんなんで盛り上がらないでくれる?」


 そんなやり取りをしていると、


「あぁ、何かもう疲れたせいか眠いし、バカバカしい会話に付き合ってらんない。部屋行くわ」


 そう言って竹山彩は部屋に戻った。