窓の方に視線を遣ると、空がすっかり暗くなっていて…


不意に部屋の外にいる皆の事を思い出したあたしは、慌てて椅子から立ち上がって病室のドアを開けた。


その瞬間、ドアの隣にいたパパが少しだけ驚いたような顔であたしを見た。


病室の前の壁に寄り掛かっていた凪兄と奈緒ちゃんは、心配そうな顔をしている。


「希咲……」


「……陽子さんに付いててあげれば?」


不安げな声であたしを呼んだパパに、掠れ気味だった声を誤魔化す為にぶっきらぼうに言った。