バトンクッキー



 水原は大きく頷き、足を胸の位置まで高々と上げ、腕を弓のようにしならせて投げた。


 ホームベースにバウンドしそうな勢いで、スクリューボールが落ちた。


「完璧だ」


「カーブより手ごたえがあります」


「大会前に覚えていれば、試合の結果が変わっていたかもな」


「そうですね」

 グラウンドから部室に向かうと、みんな帰り支度を終えたところだった。


「待ってるか?」


「久し振りに動いたら疲れたよ。ちょっと休んでから帰る」


「わかった」

 ゴリが帰り、1・2年生もおれに挨拶して部室から出ていく。