「それかアキオタクじゃない?」


「あのさ…マニアとかオタクって意味わかんないから。でも、嬉しかったな〜。握手して下さいなんて久しぶりに言われたし、改めて言われると恥ずかしいもんだよね。」


「そんなもん?」


「そうだよ。ファンレターにしても同じじゃない。嬉しいんだけど恥ずかしいって思わない?」


「ああ〜そうだね。綺麗ですとか、憧れです。なんて書かれてると恥ずかしくて顔がニヤケるわ。」

「でしょ〜? ごちそうさま、美味しかった〜。」


「それか! 私もごちそうさまっ。」





食器をシンクに下げ、ビールを持ってベランダに出る。





紫穂もビールを持って隣に座った。





棚に手を伸ばして、タバコとライターを手に取る。





カチッと火を着け、紫煙を吐き出すと驚いてた紫穂は苦笑し、一本頂戴と言って来た。





「また吸いだしたの?」


「たまーに吸うだけ。」