紫穂との電話が終わり、着信履歴を開いて実家にかける。





何回かのコールで相手が出た。





『はい、鳴海でございます。』


「……お母さん。」





お母さんの声聞くの久しぶり。





最近は実家にも帰ってないし、電話もしてない。





『章菜!もぉ、何度も電話したのよ?』


「ごめんね。今、梨珠さんにお世話になってて。」


『そうなの?ご家族には挨拶したの?』


「ちゃんとしました。」


『そう?ならいいわ。』





いつまで経っても子供扱いするんだから。





『ところで、テレビ見たわよ。復帰するの?』


「ううん、しない。するつもりない。」


『そう……どういった経緯でああなったのか知らないけど、あの頃と変わらず輝いてたわよ。』


「ふふっ、ありがとう。」


『お父さんなんか、やっぱり俺の娘が一番なんて言ってたのよ?』




親バカ健在ね、と言うお母さんの言葉に笑ってしまう。